「おくりびと」という映画がアカデミー賞を受賞しました。これをきっかけに友人や知人から「葬儀社はあんなことをするのか」と問われることが多くなりました。
おくりびとは、納棺という仕事を通して、遺族の人たちがどのように故人の死を迎え、そしてお葬式の流れの中で、時間とともに、その心が変化していくことをよく表現されているものです。
私は、これをきっかけに「生と死」を皆が考える世の中になってくれれば良いと思っています。何故なら、現在の社会は、「死」を隠す社会です。少し前の社会である戦争の時代は、死は、まぎれもなく生活の一部だったはずですが、我々が育った平和な戦後社会は、死を隠し続けてきました。今であれば、家で葬式を行うこともなく斎場にお葬式を行います。斎場は、遺族にとっても非日常空間なのではないでしょうか。その中で行われるお葬式は、死を身近なものと思わせないようになっているのかもしれません。ですから、生活の中に「死」が入りこむこともありません。また病院でも、病室内で同じ病棟の患者さんにも「死」を見せないような姿勢であります。
死を隠すことが今起こっている虐待や自殺といった命を大切にしないことにつながっているように思います。命の大切さは、物事全ての始まりです。その事が希薄な社会であることに我々は気づくべきであろうと思います。
おくりびとという映画が、こんなことを考えるきっかけになれば良いと思っています。
私は、仕事を通してその事を世の中に伝えていきたいと思っています。
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