2008/11/29 土曜日

自殺をした人のお葬式

Filed under: 葬儀 — admin @ 2:45:29

私がお葬式のお手伝いした人に、町でばったりと会いました。少しだけ、その人と会話をしました。そのことをお話しします。

仮にこの人をAさんと呼びます。この方のお子さんが自宅で自殺をし、それを発見したAさんは、慌てて葬儀社に連絡を取ったことから、私とのお付き合いが始まりました。 お子さんの遺体を見たときの心情は、私のような立場からすると、見当もつかないぐらいショックだったことだと思います。そんなことで、最初の電話も非常に慌てた様子であることは伺えました。このような口調で、「すぐに来てください。」と言うAさんに、状況確認をするのは忍びなかったので、私は、「とりあえず、すぐに行きます。」と言って出向いて行きました。自宅到着すると、Aさんが一人だけ、息子さんのそばにいるだけです。自殺や自宅で死亡した場合などは、検死などの手続きを行わねばなりませんが、それをせずに、葬儀社を呼んだことがわかりました。私が、警察に連絡をして検死を行ってから、もう一度連絡してください。と言うと、とても不満そうでした。私もそれ以上は、言葉が出ずに一度ご自宅を退去しました。そして、再度の呼出で出動しました。警察の検死も警察署や担当の方によりまちまちですが、遺体は、検死をした後は、どこか雑然とした中に、布団などを掛けただけの状態です。今回も同様に、お子さんの亡くなった状態のまま、そのうえに毛布をかけた状態で、そのまわりにご家族たちが呆然と立ちすくんでいました。その後、遺体を納棺し、お参りのできるようにし、打ち合わせを行いましたが、どうしても呆然とした中で、自分の子供が自殺したという現実から逃げだしたいという気持ちの中で、葬儀をどうするかなど話ができるような心情ではなかったのでしょう。家族だけで、密かに、送りたいということを言っていました。私は、お子さんが世の中からいなくなったことは事実は、すぐに周辺の人にはわかることだし、亡くなった理由は事情があるにせよ、周りの人には、お知らせしたほうがよろしいですよとアドバイスをしましたが、心情的にそんな話を聞けるような状況にはなく、その時の遺族の希望通りに、簡単な式の後、火葬を行うだけのお葬式を行いました。

それから、数年が経過して、Aさんにお会いしました。その後、どうですか。と尋ねますと、なんとかやってます。あのときは、早く子供の遺体を見たくないと思い、誰も呼ばずに、火葬をしたが、あれは後悔しているというお話をし始めました。

どうしてかを聞くと、自殺したお子さんには、恋人がいたそうで、その恋人が時々仏壇にお参りに来るようになったそうです。この恋人も大事な人の別れができなかったことで、ずっと尾を引いており、なかなか区切りがつかないようです。Aさんは、何度か若いのだから、次のことを考えなさいとこの恋人に話をしたそうですが、それが出来ないようで、可哀そうだし、恋人に悪いことをしたということを話をされました。

私自身も、あの時にもう少し、ちゃんとアドバイスをして、きちんとお葬式をしてもらうように話をすべきだったなと後悔の気持ちを強く持ちました。

お葬式を行うことは、本当に難しいことがたくさんあることを再認識させられました。

2008/11/24 月曜日

生前予約の現実

Filed under: 仕事 — admin @ 13:56:01

われわれ葬儀社は、基本的に「待ち」の仕事です。ご理解いただけると思いますが、一般のご家庭に、「葬儀社ですけど、御用はございませんか?」とは営業をかけることはできません。それでも、互助会系葬儀社は、「もしものときに、安心ですよ。」と営業をかけています。私の何度か自宅にいて、互助会の人から電話セールスを受けたことがありますが、「相手のことも考えずに、よく出来るなあ。」と感心します。

我々、非互助会系の葬儀社においては、日々人脈を作り・信頼されることが日々の営業活動であり、また、通常の葬儀施工での評価を上げることが、リピートを増やすこと、次への人脈構築だと考えて仕事をしているものと考えます。

そのような中で、「家族が危篤になりました。その時はよろしく」といった電話をお客様より頂戴します。我々にとって、これを予約と呼んでいます。予約の中身は様々です。リピーターの人であれば、以前の施工内容を基本に大体こんな葬儀をするだろうなあというイメージが出来ます。ですから、予約のときにそれほど気を遣うこともなく、現状を確認し、「御大事に・もしもの時は慌てずに電話を下さいね。」と優しい言葉もかけやすいものです。

これが全く知らない方からの予約の電話ですと、いろいろとお聞かせねばならないことがあります。中には、個人情報にかかわることを聞かないと的確なアドバイスができないことも多々あります。このようなケースで往々にあるのが、「いくらぐらいかかりますか?」「大体このぐらいです。」といったやりとりで終わることです。

確かに葬儀費用は、心配なことであるのでしょうが、内容の無い金額は、意味があるようでない。これで安心とは言えません。葬儀社に関する不満で一番多いのは、後から請求書見てびっくりといったことなのでしょうが、最初に中身のあることを決めていないから後から見てびっくりするとか、チラシで言っていることと全然違うなどといったことになりがちです。

昨今、世の中で個人情報についてはセンシティブになっています。葬儀業界でも同様です。また、死に直面した家族に対して根掘り葉掘り、いろんなことを聞くのは、気が引ける葬儀社も多いと考えます。良いお葬式をリーズナブルに行うためには、葬儀社と消費者がよく相談しながら、お互いに情報開示を行い、打ち合わせを行う必要があると考えます。

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