事前相談
先般、当社の広告を見て、相談のお電話を頂戴しました。
相談者は、東京の方では、「直葬」という簡単なお葬式のやり方があると聞いたが、北九州市でも出来ますかということでした。
「直葬」とは、亡くなったら火葬するだけですから、どこの葬儀社に頼んでも出来ますよと答えてあげました。そうすると、次に「お布施」や「お墓」のことをどの位費用が掛るかと質問を受けました。
私は、「直葬」で遺体処理だけを希望されているのではないのですかと逆に質問をしました。
そうすると、どうすれば良いのか。わからないと言い始めました。
この方は、自分が亡くなった後のことを心配していました。
この方のお墓は、大分にある。自分が死んだら、子供たちが遠くにあるお墓の守をするのも大変だし、迷惑もかけたくない。お墓については自分の代で終わりしたい。と思っているようでした。お葬式にしても、大分のお寺に北九州まで来てもらい、御経をあげてもらうのも大変だ。それなら簡単に済ませて、葬儀社に納骨まで済ませてもらい、永代供養をお寺にお願いしようかなと思ったそうです。そうすれば、金銭的にも迷惑かけないと考えているそうです。私は、貴女が思っていることはそのまま実現しようとすれば出来るでしょうが、子供たちの亡くなったときには、どこのお墓に入れば良いのですか?
子どもたちには、新しくお墓を作るのですか。一番困るのは、たぶん貴女のお孫さんですよね。というような話をしましたが、この方は、私の話が全く理解できませんでした。
なぜ、孫に迷惑かけるのか。自分の財産の中で、自分の後始末を考えて、財産の中から全て賄えるようにしようとしているのに、何故なのか。全く理解できました。私からした場合に、子供が亡くなったら、その葬式を出し、お墓を面倒見るのはお孫さんだという常識で話をしましたが、この方からすると、自分と子供のことである。今しか見ていないからわからないのだと感じました。
家という概念が薄れつつあります。戦後、日本の家族制度は、変わりました。核家族制度です。要は、家は代々受け継がれていくという概念は、制度上なくなりました。
しかしながら、私たちは、お墓や仏壇。そしてお盆やお彼岸といった生活習慣上、家を代々受け継ぎという習慣を今なお、行ってきております。この習慣も最近は、行われなくなってきている。何故でしょうか。この方のように、大分にお墓がある。ご自分の遠いところにあるお墓の面倒を見るのが、時間的・精神的・経済的に苦痛だったのでしょう。
ですから、次の世代には、自分の苦痛を味あわせたくないと感じたのでしょう。
しかしながら、これからの社会において、お墓を新しく建てることの費用や場所の確保を考えたら、今あるお墓を大事にした方がたぶんに、精神的・経済的には、効率の良い話だと思います。またそこにいる先祖をお孫さんが自分の親しか入っていないお墓よりも先祖代々の方が入っているお墓のほうが自分のルーツや家族の大切さを考えることが出来る。そちらの方が、お金よりも、余程重要なことだと思います。
最近は、自分の代や目の前のお葬式の費用ばかりを考えた簡単なお葬式ばやりです。
そうしたお葬式は、家族を大事にしないことにつながるのではないかを心配します。もう少し長い目で見た家族の大切さや重要さを考えていきたいと思います。
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