最近は、独居老人の方の孤独死が問題となっています。生活保護などの公的な福祉政策で、支援の充実を問題にしていることが多いですが、死後についての問題も、もっと語られるべきではないでしょうか。
先日、83歳のおばあちゃんが、自宅で急死しました。この方は、離婚をし、子供はいない。親や兄弟とも既に死別しておりました。連絡のある親戚は、遠方にお住まいの従兄弟さんぐらい。警察も身元確認やその後の措置について、従兄弟の方に連絡し、この人が、葬式を出しました。お葬式が終わり、さあ、葬式代を支払う段階になって、問題が発生しました。従兄弟さんは、当初の目論見は、亡くなったおばあちゃんの貯金からお金を引き出し、葬式代に充てるつもりだったのですが、従兄弟さんは、法定相続人ではないので、銀行からの引出ができません。法定相続人でも、相続の手続きを踏まないと本人以外は、お金をおろすことができませんが、相続人がいないおばあちゃんの預貯金は、すべて国庫に帰属することになります。従兄弟さんは、別に、財産が欲しくて葬式出したわけではないのに、どうにかならないかと法律家に相談したのですが、まずは、戸籍調査をし、相続人が本当にいないのかを確認し、相続人がいなければ、国庫に帰属しているおばあちゃんの預貯金から葬式代を出してほしいという申し立てを裁判所に起こすしかないという話になりました。裁判費用は、当然申し立てをする従兄弟さん負担となるわけで、親戚に対する善意が、ものすごい負担となって戻ってくるというお話です。結局、裁判をするにしても結果が出るのは、時間がかかる話ですので、葬儀社には、従兄弟さんが立替払いをしたそうです。
この話とは別で、最近病院からも同様な相談を受けました。身寄りがいない認知症の患者さんを病院が入院を受け入れる場合に、その対価をどのように確保すべきか。この患者さんが、死亡したときに、葬儀社さんの手配はどうすべきか。様々な疑問が病院内部でも検討されているそうです。
少し前になりますが、「熟年離婚」などという言葉も流行りました。確かに元気な内は、家族から解放され、自由にしたいことをする。悪いことではありません。しかしながら、このおばあちゃんのように、家族がいないと死後の面倒を見る人がいないのは、困りものです。ましては、御親戚の方に迷惑をかけるようなことがあってはいけない話です。ご高齢者の方には、言いにくい話なのですが、あなたは大丈夫?と問いかけをしてみたいですね。
誰かが何とかしてくれるではなく、自分で何とかしておかないと、周りが迷惑する話です。
また、家族がいれば、どうにかなる話なのですが、離婚者数の増加や、子供数の減少は、家庭が少しづつ壊れている社会を写し出しています。今は、それで良いかもしれないが、遠い将来を見据えていろいろと考えてもらいたいですね。何故なら、「人は一人では生きていけない」のですから・・・。